
ダイヤバイオフリンジは、フリンジと呼ばれる接触材を利用した生物膜処理法での排水処理装置です。
フリンジは、特殊加工した親水性合成繊維で構成されているため、生物膜の形成が良好で、処理の立ち上がりが早いのが特長です。さらに、反応槽内では曝気で形成される旋回流によって常に揺動しているため、汚泥の過剰増殖や一斉剥離が起こらない、逆洗機構が不要、などの利点を有しています。
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- SS前処理が不要です。(浮上装置、沈殿槽不要)
フリンジの揺動効果によりSSは槽内に蓄積しないため、浮上装置や沈殿槽のような前段のSS除去設備が不要です。 - 揺動床での汚泥の閉塞がなく、また一斉剥離も起こりません。
フリンジ糸は循環流により常に揺動(振動)しており、フリンジ糸の表面に付着した汚泥は連続的に剥離・増殖を繰り返していますので、一定量の生物膜が安定して保持され、閉塞や汚泥の一斉剥離は生じません。 - 流入SSの影響を受けません。
フリンジへの汚泥の付着力はSSと比較して非常に大きいため、SSはフリンジに捕捉されず、有機物処理能力は流入SSの影響を受けません。 - 汚泥管理が不要です。(返送汚泥不要)
フリンジに付着した汚泥で排水を処理しますので、汚泥返送が不要です。また、余剰汚泥の発生が少ない上に常に一定量を生物反応槽から流出するので、生物反応槽内に汚泥の蓄積は起こりません。 - 余剰汚泥の発生を軽減できます。(汚泥減容)
フリンジの中心部は循環流に触れないため酸素濃度が低く、嫌気雰囲気を形成します。従って嫌気好気処理を容易に達成でき、余剰汚泥発生量を削減でき汚泥減容に貢献致します。(一般的な食品排水で好気処理の半分以下) - 既設曝気槽の能力増強が容易に行えます。
ダイヤバイオフリンジはユニット化されているので、このユニットを既設曝気槽に設置するだけで容易に能力増強が図れます。 - 下水道放流に有効です。
流入水質がある程度(BOD 1,000mg/L程度)の水質では生物反応槽のみで、沈殿槽を経由せずに下水道放流可能な処理水質が得られます。 - 活性汚泥法より容積負荷を高く設定でき、設備がコンパクトです。
多段化や沈殿槽・汚泥槽等の設置により、高度処理・高負荷処理等幅広く対応出来ます。

フリンジとは
- フリンジ軸糸
芯となるポリエステル繊維は低伸度(伸びにくい)で強力にフリンジ糸を保持します。 - フリンジ糸
フリンジ糸は、親水性のアクリル繊維で汚泥付着性に優れています。
また、放射状に突き出しているため、接触効率が良好です。 - 揺動床
ダイヤバイオフリンジは、固定床式の生物膜処理法の一つに分類されます。
接触材となるフリンジが常に揺れ動いていることで、固定床式のデメリットを解消した、流動床の特長を併せ持った処理方式です。
- 循環曝気方式
水槽下部センタ-より散気装置/ディフューザーにてエアーを吹き込み、フリンジ/接触材では下降流での処理方法。 - 全面曝気方式
フリンジ/接触材下部の散気装置/ディフューザーにてエアーを吹き込み接触材で上昇流での処理方法。
- 食品排水全般
ダイヤバイオフリンジのみのシンプルな設備によって容易な運転管理で下水道放流可能な水質が得られます。 - 紙・パルプ排水
高濃度SS(約1,000mg/L)を含む排水でも、SSの前処理なしにそのままダイヤバイオフリンジで処理が出来ます。